最近面接練習をしていて、「インターネットの問題点はなんだと思いますか?」と聞かれて「掲示板での中高生による誹謗中傷と、それにともなう自殺です。」と答えた。そして「では、技術的な面からどうしたら防げると思いますか?」と言われ、思いつきで「誹謗中傷に使われる言葉をフィルタリングすることです。」と答えたのだが、自分の言葉に考え込んでしまった。「本当にそんなことで解決するのだろうか?」「そんなことをしてもいいのだろうか?」と。
まず、必要以上の「言葉狩り」という問題が挙げられる。誹謗中傷に使われる言葉だけならよいのだが、そのような意図がなく発した場合に、その言葉がフィルタリングされてしまっては困るのである。はたして、機械にその判断ができるのだろうか。
言葉というものは、使われる場面によって意味合いが多少変わってくる。例えば親しい間柄での「クソ野郎」と、本当に腹が立った相手に出る「クソ野郎」など、言葉に込められた意味合いは違ってくる。「それなら、文脈で言葉を判断して規制できるソフトを作ればいいではないか。」と思われるかもしれないが、そんなことをするよりも掲示板の利用の仕方を説いた方が百倍簡単なのである。
それに、規制したところで誹謗中傷は消えないと僕は思うのである。こんな話しがある。


男が侯爵夫人をブタ呼ばわりしたとのことで訴えられた。裁判長は男に言った。
「お前には罰金を科す。二度と侯爵夫人のことをブタなどと言うのではないぞ」
「わかりました裁判長様。二度と侯爵夫人のことをブタとはいいませんがブタのことを侯爵夫人と呼ぶのもいけないのでしょうか」
「それはお前の勝手だ」
「わかりました。さようなら、侯爵夫人」


お分かりだろうか。このように何でもない言葉が敵意を持った言葉に変わることもあるのだ。これをいちいち発見して駆除しろというのか?それははっきりいって不可能である。もはやこれは技術的な問題ではなく、いかに掲示板に書き込む中高生(といか僕もなのだが)を調教するかが問題解決の鍵を握っていると思う。
だが、ダメだと言われればやってみたくなるのが人間であり、ましてや大人や体制への反抗心やらなにやらが満載なお年頃の僕たちである。やはり防ぐことは無理なのではないかというのが僕の現段階での結論である。

我が家の犬。液晶画面をライトボックス代わりに使って携帯でネガを撮影、その後PC上で反転させた。ツブツブ感は残るが意外といい出来である。