最近、ギターアンプの調子が悪かった。電源が入らないことがあるし、なんだか音も違ってきたような気がしていたので危ないと思って使用を控えていたのだが、つい間がさしてスイッチをONにしてしまった。予想通り電源が入らなかったので何が原因なんだろうと後ろから中を覗き込むと(オープンバックのアンプなのである)、電源ケーブルの付け根に切れ目が見えるではないか。「これが原因だったのか」と納得して、何を思ったか僕は電源ケーブルをグリグリと動かしてしまったのである。今思えば電気が流れているというのに軽率だった。
 手でケーブルの角度を変えた途端に目の前のケーブルの切れ目から強烈な光が噴出し、それと同時に「ボンッ」という音と何かが焦げたような匂いが漂ってきた。目の前で起こったことが信じられなくて、僕はしばらく呆然としていた。何があったのかというと、切れ目部分でショートが起こったのである。慌ててケーブルを引き抜いて切れ目を見てみると、銅線が一部溶けたようになっていて、ケーブルも千切れる寸前になってしまっていた。何より恐ろしいのは、それが失明する危険があるほどギリギリの距離で起こったことである。実際、メガネをしていなければ危なかっただろう。メガネを見ると、レンズ部分に焼けたような跡がついていた。炎は防げてもかなり眩しかったので目がどうにかなってしまったかと鏡で確認したが何もなっていなかった。今もなんとなく痛いような気はするが問題なさそうである。
壊れたアンプはそのうち修理する予定である。今度は爆発しないように気をつけなければ……。そんな感じでさやうなら。